• 製品の完成まで、
    トータルで関われるのが魅力。

    八代 陽仁
    AKIHITO YASHIRO

    平成21年入社
    川崎研究所 研究開発センター 浜岡出張所

  • 学生時代で学んだことは?

    もともと中高の頃から理科が大好きで、化学部に入部するほど、ずっと化学の道をひた走ってきました。自宅でドライアイスから炭酸水を作ったり、塩やミョウバンの結晶作りを楽しんだりもしていましたね。

    大学院では有機化学を専攻し、新規の物質合成に関する研究を行っていました。具体的には、例えば福島の原発事故で問題となったウランやセシウムなどの放射性物質、いわゆるあまり良くないとされる物質を選択的に取り除くことを可能にする物質の合成にチャレンジしていました。

    実験によって新しいものを生み出すという試行錯誤を繰り返し、物質の純度を高める手法などを学べたことは、現在の業務にも通じる面があるのかなと思います。

  • 入社の決め手は?

    研究や実験に関われる化学メーカーという軸で就活を進めていました。当社を含め、数社から内定をいただきましたが、最終的に多摩化学工業を選んだのは、研究職は少数精鋭のため、1人1人の裁量も大きく、なおかつ高純度に関する自身の経験も活かすことができるのではないかと思えたことです。

    やはり大手企業ですと、自分の望む職種や仕事に就けなかったり、キャリアアップの柔軟性に欠けていたりといった懸念はありましたね。

  • 研究職について教えてください

    入社して川崎研究所に配属されて以来、コロイダルシリカの研究にずっと携わらせていただいています。初めの1年半は研修期間として、研究や実験に必要な分析技能の習得から始まりました。その後、半年間は浜岡工場での製造研修を受けました。

    研究職といっても、当社では製品の試作やサンプル提出まで幅広く関わります。やはり研究レベルでモノが出来ていても、実際の設備でしっかりとした製品が出来上がらなければ、意味がありません。だからこそ、製造現場の設備やプロセスを理解する必要はありますし、製造職のスタッフ達とのコミュニケーションも必要不可欠です。そのための知識の習得や関係構築のための期間でしたね。

    研修が終わり、また川崎へ戻ってきてからは、引き続き研究を続け、昨年11月からは新たに創設された研究開発センターの浜岡出張所に勤務しています。

  • 現在の仕事内容は?

    お客様の要求に応じて、コロイダルシリカ関連の新規製品の製造可能性を検証し、その試作や評価、分析、サンプル提出、フィードバックを受けての改善を繰り返しているといったイメージですね。時には営業と一緒に、お客様との打ち合わせに参加する機会もあります。

    浜岡に来てからは、研究に加えて、製造プロセスの改善なども行い、研究所と工場の橋渡し的な役割も担っています。工場に設置されている最新の分析装置を扱い、高度な分析を行うことも業務の1つです。

  • 仕事のやりがいは?

    研究開発という立場ながらも、お客様に近い距離で仕事ができることですね。お客様の具体的な要望を聞く機会があり、開発に繋げることができるのはやはり大きなやりがいです。

    特に半導体業界の最先端技術に必要な物質を扱っていることから、お客様の要求のハードルも高く、かなり厳しいものも多々あります。その要求を達成する技術を開発し、さらに製品が採用された時の喜びは計り知れません。

    また、コロイダルシリカは当社の中でも売上が飛躍的に伸びている注力製品でもあります。製品自体は、電子顕微鏡で何十万倍と拡大しなければ見られないほどの細かな粒子なのですが、その形状や大きさを自在に変化させられる技術もまた、当社がお客様から評価されている点です。こういった点も日々研究を続ける上でのモチベーションになっていますね。

  • 思い出に残るエピソードは?

    ある海外のお客様の製品利用において、不具合が生じたことがありました。主に製造現場のスタッフが対応に当たっていたのですが、不具合がなかなか解消しないということで、私も川崎研究所から現場に駆けつけました。

    現場担当者と協力しながら、研究職としての視点で設備調査をし、影響を与えている箇所を特定し、不具合を解消できた時は、とてもホッとしましたね。

    トラブル発信ではありましたが、製造職と研究職が一丸となって当社の製品は作られる、だからこその連携の大切さをより一層感じた出来事でした。

    仕事で心掛けていることは?

    研究室内でも製造現場でも常に物事を細かく観察するように心掛けています。やはり半導体は高度な製品であるからこそ、些細な現象や僅かな変化が製品に大きな影響を及ぼしてしまうことがあります。

    また、実験や分析で扱う技術も日々進歩しているため、新たな技術にも積極的に目を向け、気になるものは取り入れてみるように心掛けています。同様にお客様の要望も常に進化していきますから、日頃から先を見通して考え、動くようにしていますね。

  • 今後の目標は?

    現在出荷されているコロイダルシリカは、主力製品の1つではありますが、私が入社する前に作られたものでした。これまでも開発に関わった製品がお客様に採用された実績はありますが、規模としては小さいものでした。

    だからこそ、会社の稼ぎ頭となるような、現在のコロイダルシリカに取って代わるような新たな主力製品を生み出していきたい、さらに特許になりうる技術開発を行っていきたいという想いは常に持っています。

    例えば、体操競技で“半ひねり”が加わったことで新しい技ができるということがありますよね。化学の世界でも本当に僅かな変化が、劇的な効果を生み出す場合があります。“半ひねり”分の改革に果敢にチャレンジしてきたいです。

  • 多摩化学工業の良いところは?

    若いころから責任のある仕事を与えられ、重要なポジションや役職を任されるチャンスも豊富にある会社だと思います。

    共に働く仲間たちを見ていて感じたのは、「これだけは絶対に誰にも負けない!」という知識や技術を持っていると、会社の中心的な立場になって働くことができ、同僚からもすごく頼りにされる存在になれるのではないかということです。

    今であれば、新設したばかりの掛川工場もありますし、様々な新しい仕事に挑戦できる機会も増えているのではないかと思いますね。

  • 未来の後輩へメッセージを!

    当社の研究職に向くのは、研究室にずっとこもるのではなく、製造現場に足を運び、試作にも分析にも幅広く関わってみたいという方が良いのではないかと思います。

    また、仕事には基本の知識や技術を習得するまでは、地味なことを繰り返す期間も必要となります。基礎が身につけば、そのあとは少しずつ自由度も増してくるはずです。

    私自身も本当にアイデアや裁量を発揮できるようになったと感じたのは、入社4年目を迎えたあたりからでした。是非、皆さんにも辛抱強く、頑張っていただきたいです。

    就職活動においては、やはり企業の業務や方針に対して、自分の持っている技能や特性をどのように活かせるかといったマッチングや見極めは大切にしてほしいです。ネームバリューや規模だけで選ぶのではなく、自分でとことん調べて、納得のいく会社を見つけていただきたいですね。

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